小規模事業者持続化補助金 第20回公募

前回からの変更点について

小規模事業者持続化補助金の第20回公募において、第19回以前からいくつか大きな変更点がありましたので、まとめておきます。

変更点の説明の前に、まずは公募の基本情報です。
・公式サイト
https://r6.jizokukahojokin.info (商工会議所地区)
https://official.jizokukanb.com/ (商工会地区)
・公募期間
申請受付開始:2026年11月5日(木)
申請受付締切:2026年12月15日(火)17時
※事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2026年12月4日(金)
・補助上限:50万円(特例により最大250万円)
・補助率:2/3



   それでは以下変更点の説明です。これまでにも変更はたびたびありましたが、今回の変更もかなり大きなものです。ただ、要件が厳しくなるだけではなく、場合によっては活用しやすくなる変更点も含まれています。

   まず、過去に持続化補助金に採択されて補助金を受け取っている事業者の申請条件が変更になっています。
   この補助金の活用が2度目以降の事業者の方はご注意ください。これまでは、状況化報告(様式14)を提出していれば再度応募OKだったところ、今回は状況化報告を提出後1年が経たないうちは応募ができなくなっています。(公募要領 p.6)

   次に、賃金引上げ特例(補助上限+150万円)の適用条件が大幅に変更になりました。(公募要領 p.9-11)
   これまでの条件では、ごく簡単に言えば事業場内で一番時給が低い方について、その時給を50円以上アップさせることが求められており、シンプルなものでした。しかし今回の公募回については、2027年4月1日から2028年3月31日までの12ヶ月と前年同月の12ヶ月(2026年4月1日から2027年3月31日)とを比較して、従業員1人あたりの給与支給総額が年平均3.0%以上増加していることが適用条件となっています。(なお、赤字事業者の補助率アップ(2/3⇨3/4)は以前と同様です。)

   この変更の影響は非常に大きいです。まず、2026年4月から2028年3月までの期間に従業員がいない期間が1ヶ月でもある場合は特例の対象外となります。そもそも、2026年4月から途切れることなく雇用している従業員が少なくとも1名以上いる状態でないと本特例での応募ができません。また、応募当初は従業員がいても事業実施期間の途中で従業員がいなくなってしまった場合は、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません。当該期間の12ヶ月の全ての月で給与の支給を受けていない方は算出対象から除外されますので、従業員が1名である場合などは十分に注意が必要です。算出対象となる従業員(対象の12ヶ月間の全ての月で給与の支給を受けている方)が0名になると対象外です。
   条件の変更に伴い、提出書類も変更になっています。以前は直近1ヶ月分を提出していた賃金台帳は直近12ヶ月分に変更となっています。

   また、この特例については補助事業の実施期限についても制限が課されており、2028年3月31日を補助事業終了予定日としなければなりません。
これによって、早めに取組が完了したからといって切り上げて実績報告を行うということができなくなっています。
   この点の影響も小さくありません。まず、補助金の入金までの期間が長くなります。これまでは例えば半年で取組が完了すればその時点で実績報告を提出し、審査を経た上で補助金が入金されていたところ、今回はこの特例を利用する場合はどのような取り組みであっても2028年4月になるまで実績報告ができません。そして、2028年4月10日が報告書の最終提出期限ですので、実施期間中から準備を進めていかないと実績報告書の準備がかなりタイトになります。

   さらに、補助金を使った取り組みから直接収益が生じる場合に発生することがある「収益納付」(補助金の一部返納)との関係も重要です。補助事業実施期間が伸びれば収益も積み重なっていくため、「収益納付」が発生する可能性が高まります。ただし、まだ第20回の「参考資料」が公表されていないため、収益納付についての変更があるかどうか現時点では不明ではあります。(※なお、要項には「収益納付」の記載があります(p.41)。また、2026年3月に改定された交付規定にも記載があります(第27条))

   以上が条件に係る大きな変更点です。特に賃金引上げ特例については、十分に注意して応募を検討する必要がありそうです。


  この他に補助対象経費についても大きな変更がありました。こちらについてはポジティブな影響がある事業者の方も多いと思います。

   変更は広報費に係る点です。以前は、広報費のうち、ウェブや動画に関するものは、「ウェブサイト関連費」に計上するというルールがあり、インターネット広告やSNS広告などのオンラインでの宣伝活動費は「広報費」ではなく「ウェブサイト関連費」に分類されていました。また、その「ウェブサイト関連費」には申請額の上限が設定されており、交付申請額全体の4分の1まで(最大でも50万円)となっていました。そのため、通常枠の50万円ですと、最大でも12万5千円までしかこの経費の補助を申請することができませんでした。また、必ず他の経費と合わせて申請しなけばならないという条件とも相まって、負担とリスクを抑えつつオンラインでの宣伝活動を強化したい事業者にとってこの補助金の活用を難しくしていました。
   例えば新たな商品やサービスについてランディングページ(LP)を制作して、そこへ誘導するインターネット広告を出すという取り組みがそれ単体ではできなかったわけです。(この場合全てウェブサイト関連費になるため、この取り組みだけでは申請できず、仮に機械装置等の経費と併せて申請したとしても12万5千円までしかウェブまわりは補助されないといったことになっていました)

   しかし、今回の変更で、インターネット広告やSNS広告は広報費の区分に位置付け直されました。また、ウェブサイト関連費に課されていた補助金額全体に占める割合の制限がなくなり、一律30万円(税込)という金額の上限が設定されました。(なお、これまで上限規制がなかった広報費にも一律30万円(税込)の上限が課されたことには注意が必要です)
   この変更によって、他に大きな設備投資がない場合でもオンライン広告に当補助金を活用することが容易になったと考えられます。ただ、注意点もあり、広報費のみあるいはウェブサイト関連費のみでの申請は不可とされています。必ず他の経費と一緒に申請する必要があるということです。
この点、広報費とウェブサイト関連費を組み合わせることで申請が可能になりますので、上に例としてあげた、LPを制作してそこへ誘導するインターネット広告を出稿するという取り組みは、今回の公募においてはそれだけで申請可能がということです。(LP制作費用=ウェブサイト関連費、インターネット広告費=広報費)
   この例で説明を続けますと、ウェブサイト関連費と広報費はどちらも補助上限が30万円(税込)ですので、例えばLP制作費用に税込45万円かけて、インターネット広告に税込30万円かけるという計画の場合、補助率は2/3ですので、Webサイト関連費で30万円、インターネット広告で20万円の補助を申請でき、ウェブまわりの費用だけで上限の50万円を活用できる可能性があります。この点、第19回以前と比べて格段に利用しやすくなっています。(他方、オフラインの宣伝活動、例えば雑誌等の紙媒体に出稿するあるいはチラシ配布等を大々的に行うなどという活動は今回から取り組みづらくなっています。広報費に上限30万円の制限が課されたためです)

   新しい商品やサービスの提供を開始するときは当然宣伝活動が重要で、中でもオンラインでの宣伝活動に注力される事業者が多いと思いますので、今回のこの点の変更はそういった方々にプラスになるのではないかと思います。

   他にも加点項目が追加されているなどの変更点もありますが、一旦ここまでにしたいと思います。

   なお、応募の際は今回の説明も参考にしていただきつつ、最新の公募要領等の公式資料を確認した上で申請をご検討ください。

当事務所で申請のサポートもしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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